gtk+のimmoduleに続き、Qtにもimmoduleを実装しようという動きがある。
これでgtk+, QtというX11向けの二大ToolkitにInput Methodの動的切り替えの機能が実装されていくわけだが、個人的な考えとしてはこれらは技術的には面白いものの、ユーザのためになる機能なのかということに関しては疑問点を持たざるを得ない。
というのは、次のような問題があるからである。
* gtk+, Qtではそれぞれimmoduleと名前がついているにも関わらず、両者に互換性はない。
* そのため、それぞれ別々に設定が必要である。
* IMの動的切り替え機構はToolkitへの実装であるため、変更作業は基本的にアプリケーション単位である。ユーザーは多くの場合デスクトップ環境単位での切り替えを望むと考えるため、そのための機構の実装か、デスクトップの再起動が必要となる。
こういうことを考えていくと、最終的にはToolkitの外での統一的なIM-APIと、IMマネージャというべきアプリの作成が必要なのだろうと思う。もっとも、IM-APIとしてはIIIMFやuimがそれとなろうとしていたのだろうが、両者にはその作業をするという雰囲気が感じられない。IMの決定打がないがためのimmoduleなのだろうが、ユーザの使い勝手のアプローチもない状態で、今後新しい実装の出現がないことを祈る。
5月 162004