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5月 162004
 

XIM, IIIMF, uimとX11用のInput Methodにはいくつかあるものの、どうもそれらの差がよくわかってない。
XIMはだめなものとして、IIIMF, uimが出てきているとはわかるのだが、具体的にそれらの利点がよくわからないし、XIMではなく、IIIMFやuimにnativeに対応していこうという動きももう一つ見えない。
今ところ、X11関係はimmoduleに向かっていっているようだけれど、それの是非はともかく、IMについてまとめてみることにした。
なお、利用経験はXIMのみ。IIIMF, uimについてはWebで検索した結果からの推測となる。不明点も多く、誤解している点もあると思うので指摘をいただけるとありがたい。

項目 XIM IIIMF uim 備考
開発状況、仕様安定度 仕様は枯れているが、開発も同様に枯れている。現在XIM関連で活発な開発はほとんどなし? 仕様はわりと安定している?日本語関連ではフリーの独自実装はほとんどなし。 開発は活発だが、仕様もどんどん変っている。 XIMは既に消え去るのみという感じ。uimは普及のためには仕様の安定がまず必要か。
方式 Client / Server(1 user / 1 server) Client Server(multi users / 1 server) ライブラリ。 uimは共有ライブラリ方式を取るため、ヘルパーアプリでユーザの補助が必要。
IIIMFでは全ての変換エンジン内で辞書のネットワーク共有が可能か。
必要環境 X11R6以降 規定なし 規定なし  
対応変換エンジン skk, Canna, FreeWnn, Wnn7, VJE, (IIIMF), (uim) skk, Canna, ATOKX skk, Canna, Anthy, Prime XIMはWnn系。
IIIMFはATOKX。
uimはAnthy or Primeといった棲み分け。
I18N/M17N I18N(localeエンコーディングのみ対応) M17N M17N  
セキュリティ ? 問題あり? 考慮 IMのセキュリティ関連はuim, Anthy方面からの言及がほとんど。
変換エンジンの動的変更 基本的に不可 可能 可能?  
対応アプリ ほとんどの主要アプリケーション gtk-immodule gtk-immodule, immodule for Qt, mlterm XIMは対応アプリの多さが魅力。IIIMF、uimは現状ではXIM経由で使わざる終えない場面も多い。
ユーザ設定 XMODIFIERS, LANG (XIM), GTK_IM_MODULE (XIM), GTK_IM_MODULE IIIMF, uimは対応アプリの少なさからXIMの設定も必要となる。
雑感 延命に繋がるような動きもなく、あとは消え去るのみか。とはいえ、古い技術なだけに情報は探せばそれなりにあるため、そう簡単に消えるとは思えない。 登場してすでに数年立つものの、日本語環境を前提とする限り、ATOKX以外の選択肢がほとんどなく、積極的に選択する理由は特にないような気がする。フリー系のオリジナルな変換エンジンが必要? まだまだ開発途上。AnthyやPrimeなどがキラーアプリとなる可能性も秘めているものの、APIも安定していない状況では普及へはまだまだ。また、そのためか、ドキュメントも十分ではなく、たとえば、ヘルパーアプリとはなになのか、なぜ必要なのかなどのことを調べてもこれといった情報は探せなかった。  

XIMはすでに惰性しか残ってない感じだが、IIIMF, uimともに、XIMを置き換えるほどの勢いは感じられない。もっとも、gtk+に続いて、Qtに置いてもIMの動的切り替え機構の導入に向けての動きがあるため、今よりもXIM以外を選びやすくなるのは確かであろう。
現状では安定のXIM。ATOKXのIIIMF。変化のuimといった感じか。
ただ、一ついえるのはどれもドキュメントが少ない。まだまだAPIも安定していないuimはまだしも、他の二つもきちんとしたドキュメントがあるとはいいがたいのが残念だ。


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